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気の向くまま、思うがままの行動記録ですよ。
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    ちょっとばかり。

    タイバニの小説を書いたんですよ。
    この間まで溜め込んでいたストレスを晴らす為にまあ、ここ最近それなりに長々書いた!!
    そしてこの子も同じ理由ですよ。普段なら書かない現在進行形のネタバレ含む話?
    …………いや、正確には含まないんだけどね。
    私まだ20話見てないし(待て)
    ただ人様のネタバレマンガとかイラストとか覗いて、想像して妄想した結果ですよ、あっはっは。
    そしてピクシブに載せたはいいが、閲覧数が怖い事になったので推敲して加筆修正したものの行き場が消えた。もうあの記事は触らん…………
    ので、需要がないの承知でこっちに投下。
    その内これ以後の部分も適当に会話文のみ抜粋で書いておきたいですよー。

    ちなみに、加筆修正したら6000文字くらい増えた。

    これをもとに、どれくらいの長さかを想定して、読めそうな時間がある時に読んで下されば幸い。





     

     見上げたビルは、大きかった。正直、幾度も父の元に遊びにきているとはいえ、こうしてひとりで見上げるには、この街の全ては大きく高い。

     やはり自分は生まれ育った場所が好きだ。早く父もそこに帰ってくればいい。そんな事を思いながら、震えそうな足を精一杯の虚勢で振り上げて元気よくそのビルに向かった。

     自動ドアをくぐり抜け、適度な空調の利いたロビーに入り込めば、当然のように周囲の視線が集まった。

     覚悟の上だと思いながら、カチコチになった手足をぎくしゃくしながら動かす。………右手と右足が一緒に出たとか、そんな事はもうどうでもいいと見なかった事にした。

     そうして、はたと気付く。この会社までなんとか迷いながらも辿り着いた。ロビーにも入れた。が、肝心の、父のいる階が解らない。

     もっとずっと小さな場所を想像していたし、入ればすぐに父の顔が見えるものだと思っていた。こうした事態は想定していなかっただけに、気付いてしまった途端、クルクルと目が回ってくる。きっと顔は真っ赤だ。

     それでも黙っていてはどうしようもない。大丈夫、自分はあの父の娘なのだから、いくらだって無駄に大きな声が出る筈だ。

     よく解らない、そんな言葉で自分自身を奮い立たせ、楓は勢いを付けてオドオドとした震える声を、精一杯の勇気で押し出した。

     「あ、あの……すみません、あのっ」

     特別誰に話しかけたでもない、ましてやインフォメーションに向かう訳でもない子供の声では、誰にも届かない。不思議そうな視線は相変わらずまとわりつくけれど、誰もが我関せずだ。こんなに人がいるのに、都会の大人は冷たいというのは、きっと本当なのだと、下唇を突き出して唇を引き結んだ。

     泣きたくなった戦慄く唇を、ぎゅっと引き締めたまま楓は眉を吊り上げた。

     ………泣いてもどうしようもないのだから、泣かない。泣くなら、父を見つけてその腕に飛び込むその時と、決めたのだ。

     とにかくここに立ち尽くしても仕方がない。誰でもいいから大人を捕まえよう。

     そう決めて捕獲すべき相手を見定めようと首を巡らせると、ずんぐりむっくりとした、けれど貫禄のある初老の男性がこちらを見ていた。

     「?君、どうかしたのかね」

     ばっちり目が合えば、彼は無視をせずに声を掛けてくれる。内心ガッツポーズで歓声を上げながら、パタパタと、捕まえる事の出来た大人を逃してなるものかとその人の傍まで駆け寄りながら、考えていた言葉を口にした。

     「あっ、あの、父を探しているんです。ここで勤めているって言われて」

     慌てて言った言葉は、駆けるテンポに合わせて途切れながら響き、イントネーションは最悪だった。

     それでも相手の人は慌てた様子もなく、ましてや顔を顰める事もなくそこに立ったまま、少し思案顔で半ばまで目蓋を落とした。

     「ここに?しかし、ここは人数が多い。せめて部署名…いや、名前はなんと言うのかな」

     細かい事が解るならば疾うにインフォメーションに行っていると思ったのだろう、その人は一番単純な識別カテゴリーを提示してくれる。それにホッとしながら、見上げた大人に何度も何度も繰り返し心の中で呼んだ父の名を告げた。

     「父ですか?鏑木です。鏑木虎徹っていいます」

     「………………!」

     にこりと笑って告げた途端、その人は目を丸めた気がした。驚いた、というのが一番正しいと思う、そんな反射だった。

     確かにあまりよくある名前ではないけれど、人種の坩堝(るつぼ)であるこの都市では漢字の名前だって珍しいものではない。

     「?あの………?」

     何に驚いたかが解らず、不安げに見上げてみれば、相手はそれに気付いたのか、にこりと笑い掛けてくれた。少しだけ躊躇いのある、気遣うようなそんな笑み。

     「いや、彼なら私もよく知っている。が、残念ながら、彼は会社に来ていないんだよ。ずっとね」

     「え………?」

     唐突に与えられた手がかりは、ここでは何も収穫出来ないという、残酷な結末の提示だった。

     力なく呟く声に、その人は少し屈んで頭を撫でてくれる。小さな子を扱う事に慣れた、とてもスムーズな仕草だった。

     それを見つめていた自分の顔は、多分泣き出しそうだったのだろう。申し訳なさそうに眉を垂らして、彼は笑っていた。

     「すまない、力になれなくて」

     「いえ、あの、ありがとうございました………」

     精一杯の虚勢でそう呟きながら、肩を落とし、一歩、その人から離れた。先程まで希望が鎮座していた場所がぽっかりと空いてしまって、どうしようもない気持ちに視界が歪んでいく。

     それを鼻を啜りながら耐えて、楓は先程入り込んだばかりのロビーの入口である自動ドアをまたいだ。

     

     

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