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気の向くまま、思うがままの行動記録ですよ。
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    サプライズバレンタイン。

    そんなわけでbotで唐突に流したバレンタインの火黒親子の風景ですよ。
    渡米後初めてのイベントごとがちまちま書き溜められてきましたね。
    特別何も考えていないのですが、思いつきでひょいと書くから多分この先もそんな風に唐突に何か書いています。←







     バレンタイン、どうしたらいいかとこっそりレシピ検索をしたら、小学生でも出来るトリュフというのを発見しました。
     ええと、まずは材料、チョコに生クリーム、あとココアですか。家にあるもので助かりました。チョコを刻んで湯煎で溶かして、そこに生クリームを入れてガナッシュが完成。
     ……え、これで?
     あとは少し冷やして形を作ってココアをまぶして完成です。
     よし、これならいけます!思わずガッツポーズをしていると、ぴょこんと赤い頭が見えました。あ。
    「くろこ、なんだそれ。おやつ?」
    「わっ、あ、す、昴くん、まだ内緒です」
     ……見つかってしまいました。
     秘密ですよと言いましたが、キッチンに入り込んでしまいました。どうしましょう……これ、昴くんの分もあるのに、こっそりじゃなくなってしまいました。
     何とか気を逸らせないかと思いつつ少し昴くんとお話をしていたら、キッチンタイマーが鳴りました。……時間ですね。もう開き直りましょう。よし、昴くん、見ていてください、僕もやれば出来る男ですよ。
     ほら、ガナッシュが固まりました。これを一口大に丸めて……
    「なあなあ、おれ、なんかてつだうか?どろんこねんどみたいだ、まるめるぞ?」
     あ、ワクワクしていますね。……そうですね、僕もちょっとどろんこ団子を作るのを思い出しました。
     それならと少し深目の器にココアを入れて、大きなスプーンと一緒に昴くんに渡します。
    「ではこれをコロコロしてください」
     僕が丸めて、少し体温で溶けてしまった表面をココアをまぶしてコーティングです。ほら、チョコが出来上がっていくでしょう?
     スプーン片手に器の中のチョコをころころころころ……あ、これ、障害物競走とかでありそうです。頑張れ昴くん!
     一生懸命な昴くんにこっそり応援の声を送りながら、ひょいひょいと出来上がっていく少し歪なトリュフ。でも、初めてなら上出来です。味に違いはありませんから。
    「あ、これ、トリュフだ! すごいな、くろこつくれたんだ!」
     気付いた昴くんの目がきらきらのお星様になりました。
    「簡単レシピだからですよ。はい、あーん。味見、してください」
    「ん、うまいぞ! これおやつ? おやつか?」
     まるい頬を嬉しそうにほころばせてモグモグしながら昴くんがころころしているチョコを見ています。……食べたそうですね。
    「君と火神くんにプレゼントです」
     火神くんが帰ってきたら、渡しましょうか。……昴くんも手伝ってくれましたし、二人の合作という事にしましょうね。
     なんとか準備は出来ました。即席ですが、今年はこれで勘弁してもらいましょう。
     来年はちゃんとリサーチしなくちゃいけません……。
    「チョコの事、お父さんには内緒ですよ」
    「サプライズだな! わかった!」
     察しがよくてありがたいです。さて、今日は何時に帰ってきますかね、火神くん。


    「ただいまー…って、うお?! 昴、なんだかくれんぼか?」
    「ううん、ちがうぞ。きょうはサプライズだ!」
    「へ?」
    「ハッピーバレンタイン、というべきですかね。……僕と昴くんで作ってみました」
    「へ??」
    「トリュフ! おいしかったぞ!」
    「は、え? 俺に? へ??」
     え、だって、え、バレンタイン、日本じゃ女から男にで、黒子が用意するとか絶対にないって思ってたんだけど。え、マジでか?
     こっちじゃチョコに限定してねぇし、花とかカード贈るのが当たり前だけど、そう畏まって渡すのは照れ臭いし、変に思われっかなって思って、実は数日前の夜中にこっそり焼いたバナナとチョコのパウンドケーキが部屋に隠してる。
     プレゼントって明言するんじゃなくて、今日のデザートにして、こっそり自分だけ解るバレンタインプレゼントのつもりでいて。その為に、結構急いで帰ってきた。のに。
     ……へ? え? 俺にも?
     正直サプライズっつーか、ドッキリ企画って言われても不思議じゃねぇんだけど。……これ、夢じゃねぇよな?
     ぎゅって抱きつく昴の持ってる袋をを見下ろしながら、ぱちぱち馬鹿みたいに目を瞬かせちまった。頭ん中でもう一度、言われた事を咀嚼する。……黒子と、昴が作ってくれた、俺の為のチョコ。じわじわ嬉しくなってきて、……やべ、絶対今、俺、にやけてる。
    「ありがとうな、昴」
     頭ん撫でて、屈んで旋毛に唇を落とす。そのまま延び上がり、黒子にも。
    「黒子もThank You」
     ……あ、ヤベ、近すぎて、危うく口にぶつかるところだった。
     真ん丸の目がビックリして瞬いた。きらきら揺れてチョコよりよっぽど甘いあめ玉みてぇだ。……くそ、触りたい。けど、我慢、我慢だ。
     ……でも、ハグくらいはいいよな?
     ちゅっと贈った頬へのキス。そのまま片手に黒子を抱いて、伸ばした片手を昴に向ける。ぎゅっと握りしめてくれたから、そのままひょいと抱き上げて、両手一杯の贈り物で溢れた。

     俺からも焼いておいたパウンドケーキにバニラアイスを添えて二人に贈った。……最高のバレンタインだと三人笑って、一緒にチョコとケーキをたいらげた。




     また来年も、こうして過ごせりゃいいよな。

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