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気の向くまま、思うがままの行動記録ですよ。
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    数日遅れですが。

      そして超短文ですが。
    某愛知県民への誕生日プレゼント書きましたよー。
    私のサイトでの需要はまずないので、ピクシブゆきです。てか、まあ、超短文なのでどう足掻こうとピクシブゆき。
    個人的に佐藤はなかなか書きづらい子なので書くのは躊躇われるのですが。同じくらい、幸せになる事を受け入れられるといいな、と思いますよ。
    どうもあの子は不安定で、吉田が手を離せば追いかける事もない気がして怖いですよ。いなきゃ本当に笑う事も生きる事楽しむ事も出来そうにないのにね。

    そんな感じの佐藤視点のちょっとした学校帰りの一コマです。





      吹き掛けた風が頬を過った。その音で、一瞬隣を歩く吉田の声が掻き消されてしまう。

     微かに眉を顰め、一歩近付いた。

     自身にかかる影の濃度でそれを感じたのか、吉田が一瞬だけこちらを見上げた。あどけないと言うに相応しい、無防備さだ。

     小さく笑いかけてみれば、パッと明るい笑顔が咲いた。そこに本当に花が咲いたように感じるのだから、不可解な話だ。

     そして、そんな不可解な花を愛らしいと見つめる事も、不可解かもしれない。……思い、ふと考える。

     もしもこの花が咲く事を知らなかったら。

     ………吉田と出会わなかったら。自分はどんな今を過ごしていたのだろうか。

     きっと、デブでいじめられていた頃に、全てを諦めただろう。

     時間の流れすら気に止めず、笑う事に楽しみなど見出ださず、人に関わる事に怯えて。

     ただ終焉が早く来る事ばかり祈って、日々を過ごすに違いない。

     養成学校を出たあとも日本になど興味は持たず、たとえ帰ってきてもただ日々が過ぎるだけ。

     いま、こうして二人帰るだけの通学路に吹く風の柔らかさも、二人に注ぐ日差しのあたたかさも、木陰を捧げる街路樹の香りも、隣を歩く足音の喜びも、何一つ知らずに生きていた事だろう。

     ………きっと、あの小学生の頃に出会わなかったなら、そんな日々を送ったのだ。

     人が怖くてそつなく笑顔で躱す事だけを覚えて、踏み込む事も踏み込ませる事も出来ず、ただ孤独である事だけが慰めの日々。

     それを想像して寂しいと、思えるのはきっと、傍らにぬくもりがある事を知ってしまったからだ。

     あまりにも当たり前に差し出された小さかった手のひらが、驚くほどにあたたかくて、その衝撃の意味もまだ知らなかった。

     気付いたのが再会してからだったなんて、自分の鈍感さに呆れてしまうくらい、ずっと自分はこの小さく清らかな天使に跪(ひざまず)いていた。

     会いたくて焦がれていて、ようやく見つけたその時からやっと、呼吸の仕方を思い出した。……生きる事の優しさを、知った。

     あどけない顔が見上げる。陽光の眩さに細められる瞳。その下の、不格好な愛しい傷跡。

     「?佐藤?どーかしたか?変な顔してるぞ」

     鈍い吉田が気付く筈もない視線。笑いたいような泣きたいような、大声で叫びたくなるような、喜びと切なさが解け合った衝動。喉奥で詰まるように押し止めている、数多の言葉を囁きかけたい。

     それを舌に転がして、見下ろす天使に口吻けるようにそっと屈んで、その耳に囁きかける。

     「………いや、吉田は小さくて可愛いな、と思って」

     途端、耳を庇うように覆って肩を跳ねさせる眼下の肢体。生きている鮮やかさ。触れる事を許される程傍にいる事を教えるように、跳ねた黒髪が頬をくすぐる。

     真っ赤になる肌が愛しい。自分を見てくれた優しい天使。

     「小さいいうなっ!お前がでかすぎるんだよ!!」

     喚く声に微笑んで、つい零れるからかいの言葉を落としても、彼は逃げもしないで傍らにいてくれる。

     それに、安堵する。小さな寂しさと、微かな不安が蔓延るこの先を、隣にいる時だけは考えないでいられた。

     真っ直ぐに見上げる眼差し。どんな不純物も介入出来ない至純さ。

     耳に響く心地い音色。天使の、歌声。

     

     

     

     ………いつか。

     

     天使が飛び立ち、傍らから消え、明るい日差しの中に帰るとしても。

     

     

     その羽の美しさを愛でて、見送れるといい。

     

     

     

     

     

     

     君に自由を返せる日を祈りながら、今日も僕は君を腕に抱く。

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