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気の向くまま、思うがままの行動記録ですよ。
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    すっかり忘れていたハヤデ。

    いえ、書き終えていたのは金曜日の話なのですが。
    携帯で打っていた奴なので、PCに転送するの忘れて、すっかり放置を(オイ)


    『ジバクくん』でハヤデですよー。とりあえず、神奈川都民との約束は果たした…………!
    でも多分、年賀状はデッド描けないよ。兎と絡められないしな。
    てか………愛知の方も難しいよな………大人しく既製のハンコで製作するかなぁ(遠い目)
    今年も可愛かったんでハンコ買いましたよ。去年は虎だったからリアルとデフォの2種を買いましたがね。


    ではでは、年内最後の更新………ではないな、多分忘れなければ年末までには間に合う、他も。
    新年無関係の小説なら書いているのですよ。行事物の小説は苦手だからあまり書かないのです…………!(オイ)




     

     

    静かに月明かりが注がれていた。 

    見上げた空は、一面の闇色だ。その片隅に小さく白銀に彩る月が咲いている。

    朝露に濡れた花弁は、こんな風なのだろうか。見た事もない朝日に花開く蕾を思うも、目にした事もない光景はどこか空々しい空虚さを醸していた。

    それらの鮮やかさを記憶に、残すだけなら可能だ。昼間とてこの身体は活動しているのだから。

    ただ、それは自分ではないだけだ。

    思い、空を見やるように身体を反らせた。見上げた闇の中の唯一の光源を追う。その動きに、傍らから小さな抗議の呻きがこぼされた。

    それによって思い出した。背中越しに話していた筈の相手。

    月に寄り添いやって来る愚かな鳥は、幼子のように身体を丸め座ったまま眠っていた。

    静かになったと思えば眠っていたらしい。どうせなら己の家で布団にくるまれて眠れば、疲れとてとれるであろうに。

    小さく呆れた吐息を落とし、少年は再び月を見上げた。

    ………まっさらな月明かりは何も語りはしない。

    解っていながら、それでも少年は睨むように見詰めていた。

    闇色の空の下、闇色の衣を纏い、青白い魂達と共に生きるだけの日々。

    唯一の例外は、月の昇る日に訪れる隣国の鳥だ。

    自分と同じ薄命の、未来を見やる猶予のない、鳥。

    寂しがるように傍らに留まり、囀ずりながらぬくもりを分かち合う。

    ………それを不毛と思う意味すらない程、膿んだ闇の中の世界。

    ……デッドォ………?」

    握り締めた白い拳が赤い月に彩られる直前、不意に眠る舌ったらずな鳥の声が響いた。

    一瞬強張りかけた身体を無理矢理弛緩させ、少年はいつも通りの冷たく冴えた声を紡ぐ。

    ……起きたならいい加減退きませんか………

    人の背中に寄りかかったままの鳥は、甘えるように人の肩に頬を寄せた。

    そこまで許してやる謂れはないと、少年は忌避するように片手で振り払った。

    ………その手すら取り、青年は包むように口づけた。

    甘える子犬じみた仕草は、きっと寝ぼけているからだ。忌々しいあたたかさが、冷えた身体にぬくもりを教えた。

    「寝惚けないで………

    「ここに、いる、から。ちゃんと…………

    拒もうと入れた腕の力が、凍る。

    小さく囁く微睡みの声が、自分の声に聞こえた事が何よりも業腹だった。

    こんな迷い込んだだけの鳥に情を移す、など。

    有り得ないと呟きながら、肩にすがる頬を見下ろした。

    太陽の下を駆けるものらしい、よく焼けた肌の色。こんな忌まわしいほど青白い自分とは雲泥の差だ。

    きっと彼は明かりの下で手を取り合う誰かを見つけられる。

     

    思い、感傷的な自分に笑うように月を見上げた。

     

    白銀は変わらずそこにたたずみ、ただ明かりを灯していた。

     

     

    太陽のような人とまだ出会う前。

     

     

    膿んだ闇の中、この鳥と共に過ごした時間もまた、

     

    この身を生かすために必要だったのだと。

     

     

     

    ………日差しの下、ほの思う。

     

     

    遠い過去の記憶。

     


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